アグネタは、スウェーデンのラジオ司会者Carolina Norénに、スウェーデンの公共サービスラジオのクラシックチャート番組「Svensktoppen」のためのインタビューを承諾しました。このインタビューは9月19日に放送されました。
カロリーナ・ノレン:はい、今流れた曲はABBAの「Don’t Shut Me Down」でした。こんにちは、アグネタさん!
アグネタ:こんにちは、カロリーナさん!
C:アグネタさん、チャートのトップ入り、おめでとうございます。
A:わお、びっくりしましたよ。驚きました、本当に楽しかったです。
C:私はそれほど驚かなかったし、世界中の人たちもそうだったと思いますよ。でも、ABBAがこの「Svensktoppen」で最後に1位を取ったのは、実は1974年の「恋のウォータールー」なんですよ。
A:そんなに前だったのですか?まあ、それは驚きです。
C:そうだったんですね。その通りです。
A:この場を借りて、この大歓迎を受けて、グループのみんながどれほど喜んでいるか、感謝しているか、感動しているかをお伝えしたいと思います。とてもいい気分だし、心も温まりますね。
C:考えてみると、あなたが初めて「Svensktoppen」からこのような電話を受けたとき、覚えているかどうかわかりませんが、ウルフ・エルフヴィングが電話をかけていましたよね。それは1968年のことで、あなたは17歳で、「Jag var så kär」(私はとても恋をしていた)」が3位になっていました。
A:そうでしたね、かなりの年月が経っているわね、ハハハ。
C:あなたにとって、「Svensktoppen」は長年にわたってどのような存在でしたか?
A:とても大きな意味があります。私たちはチャートに慣れていますし、いくつかの国で大成功を収めていますが、「Svensktoppen」は、私たちの母国のラジオ曲ですし、私たちがカムバックことを聴いてくださるのは母国の聴衆であり、明らかに大きな意味を持っています。どこでも歓迎されていることに、私たちはとても感動しています。ウルフとの最初のインタビューを覚えています。私はとても緊張していて、自分が「Svensktoppen」に入ったことが信じられないほどでした。これは、非常に大きな驚きでもありました。というのも、今後どうなるかは分からなかったからです。どうなるかなんてわからないから、成功するかどうかなんてわからないし、成功したときは嬉しいものですね。
C:実は、そのことについて少し考えていました。あなたはスタジオで仕事をするのが大好きだと思いますが、今回の新作を作っているときに、「うまくいかなかったらどうしよう」という疑念や恐怖を感じたことはありませんでしたか?
A: そうですね、最初はそう思っていました。(ABBAとして最後に)録音してからずいぶん時間が経っていましたし、声が持ちこたえられるかどうかはわかりませんでした。しかし、フリーダの声も私の声も、ほぼ当時のままの状態であることがすぐにわかりました。しかし、別の努力をしなければならないことがわかりました。より多くの、何と言うべきか、ストーリーを伝える能力、曲に共感する能力を発揮しなければならないということです。私は以前からそうしてきましたが、人生のすべてを生きてきた今、それはより大きなものになっています。より多くの感情を曲に注ぎ込むのです。
C:考えてみたのですが、今回のカムバックの原動力となったのは誰のアイデアだったのでしょうか…つまり、あなた以外に?ファンからすれば、いつも決まっていることですよね。
A:そうですね。まあ、一つのことが次のことにつながっていくという感じです。来年の5月にロンドンで開催されるABBAター・プロジェクトのために、新曲を何曲か作りたいと思っていました。そこで、「何曲かやってみて、どんな風に仕上がるか、どんな風に聞こえるか見てみよう」と言ったのです。そうしたら、ベニーが「アルバムを作ってみないか」と言い出したんです。 そうなんです。私たちはスタジオでの作業が好きなので、創作活動などができるのはとても楽しいですね。
C:そうですね。それに、楽しそうなことなら「誘惑」されてやってしまうこともあるとおっしゃっていましたね。
A:はい、そうですね。
C:では、この活動を始めることになったとき、あなたもメンバーも納得するのにそんなに苦労しなかったのですか?
A:いいえ、私たちの誰もがそうだったとは思いません。ABBAターのプロジェクトは、ステージ上での仕事が多くなるので、考えなければなりませんでした。スタジオでの曲作りはステージ向きではありませんでしたが、より多くの感情を伝えることができたと思っています。
CN:確かに。今回のカムバックにまつわる噂は、2018年にさかのぼります。私たちは(その時)曲名を知ることができましたが、私たちが聞いたこの2曲は、しばらく前から進行していたように感じられます。何年もかけて曲を磨いてきたのですか?私たちが最初に「カムバック」の話を聞いた2018年から現在まで何が起こったのでしょうか?
A:そうですね、私たちは「発表した2曲」の制作以外にも専念しました。最初は2月中にABBAターの制作をしていましたが….えーと、一昨年でしたっけ?いや、去年ですね。その作業を終えたところで、コロナの件が出てきました。それからしばらくして、この曲のレコーディングが始まって・・・そんな感じで続いてきました。
C:2週間あまり前に曲が公開されたとき、世界中のファンが同時に集まりました。ビヨルンとベニーはライブストリームに参加し、あなたとフリーダは編集されたプログラムに参加しました。ビヨルンとベニーは、あなたが遠くから放送を見ていたと言っていました。見ていてどう感じましたか?
A:実際に巨大でした。ファンの皆さんが曲を聴いているところを少し見ていたのですが、実際に涙を流していました。国を超えて世界中に広がっていることを実感しました。この気持ちをどう受け入れて良いのか?自分を抑えるのが難しかったですね。
C:私は(ストックホルムの)Gröna Lundにいたのですが、そこにはファンが招待されていて、他の国のファンもたくさんいました。感情が非常に強かったことがよくわかります。それは、ほとんど神聖なものだったのです。あなたがおっしゃったように、彼らは涙を流し、深く感動していました。多くの人が~少なくとも私は~すぐにでも話したい人、それはアグネタさんとフリーダさんでした。
A:ありがとうございます。
C:次はいつメンバー同士で集まるかわかりますか?
A:あえて言うことではありません。私たちはもうちょっと年をとったし、ちょっとした病気もしているし、ハハハ。でも、私たちはがんばっています。でも、あえて言わないのは、ちょっと不確かだからです。今のところ、私たちはこの作品に出会えたことを幸せに感じています。ロンドンでのプレミアで、すべてがうまくいくことを祈りましょう。
C: そうですね、来年の5月ですね。ABBAターですね。信じられないくらいかっこいいですよね。
A:そうですね。
C:声の問題にも触れましたね。2013年にソロアルバムをリリースしたとき、インタビューで同じ悩みを抱えていて、歌のレッスンを受けていたと言っていましたが、結果的には1回のレッスンで終わってしまいましたね。今回はどうだったのでしょうか、アグネタさん?結局、歌のレッスンは受けられなかったのでしょうか?
A:ハハハ。いいえ、そうではありませんでした。喉に負担がかからないようにするためには、胃からのサポートが必要だということは知っています。喉に負担がかからないようにするためには、お腹で支える必要があります。そして、スタジオに入ると、とてもよくフィットします。「わあ、持ちこたえている!」と思うのです。私は、歌うときは座っていたいのですが、フリーダは立っています。フリーダはいつも立っています。自分がどのようにパワーを得られると感じるかは、実にさまざまです。
C:シングル「Don’t Shut Me Down」では、あなたがメインボーカルを担当していますが、少なくともほとんどのボーカルを担当しています。また、「I Still Have Faith in You」もチャート4位に入っていますが、これはどうでしょうか?
A:はい、うれしいですね。
C:2人(アグネタとフリーダ)で分けるとどうなるんですか?好きな曲を選ぶのか、それともそれぞれの声域で指示するのか。教えてください。
A:はい。それを決めるのは、たぶん彼ら(ビヨルンとベニー)です。歌詞をもらって、少し聴いて、少し試してみるんです。ひとりが「これがやりたい」と思ったこともありました。喧嘩をすることはありません。試すことはあっても、誰が何を歌うべきかを知っているのは、たいてい男性陣だと思います。また、私たちはお互いに・・・たとえ一人がソロで歌っても、コーラスではほとんどの場合、一緒に歌いますからね。
A: あなたにはソングライターとしての経歴もあり、当初はソロ活動を行なっていました。最近では、ビヨルンとベニーがプロジェクトの話をすることが多いですね。
A: 昔はよくありましたが、最近はそうでもありません。私は、いろいろなアイデアを思いつくことができます。”この曲のこの部分をこんな感じに変えられないだろうか?”というように。私はハーモニーも得意ですが、ほとんどはビヨルンとベニーが担当しています。彼らの言うとおりにすれば、いい結果が得られるからです。
C:もうひとつ、ABBAやABBAの音楽について語るとき、あなた方の曲は長年にわたってアグネタさんとフリーダさんの声とかなり結びついているように思えます。いちばんわかりやすい例は、離婚をテーマにした「ザ・ウィナー」ではないしょうか?この曲は、今日のあなたの人間として、またアーティストとして、何を語っていますか?
A: それはおそらく歌詞の中に書かれていることは、ビヨルンに答えてもらったほうがいいでしょう。作曲家や作詞家の作品にはいろいろなことが書かれていますし、もちろん「彼のことだから」とか「私のことだから」ということもありますよね。しかし、それは一般的な、なんというか、人間関係です。(ABBAの曲は)愛についての曲が多いですから。
C:最近の2曲は、もう少し一般的なものかもしれませんね。アグネタさんは、ご自分のことをロマンチストだとおっしゃっていましたが、愛の話になったところでお聞きします。
A:はい、どうぞ。
C:あなたはロマンチックな音楽が好きなのですねよね?。それとも今、恋しているのかな?
A:ハハハ!そうですね。まあ、非常にバラエティに富んでいるわね。今はまだあまり言えませんが、とてもバラエティに富んでいます。この2曲を気に入っていただければ、アルバム全体を気に入っていただけるのではないかと思っています。私はそう思います。
C: そうですね。それはいいですね。私は、もう少し表面を引っ掻き回す必要があると思っています。私たちが聞いたのは、時代を超えたABBAのサウンドです。そのサウンドも継続されると思ってよろしいでしょうか?
A:CDで、ということですか?
C:まあ、アルバムということで。
A:ああ、そうですね。つまりABBAのサウンドという意味ですね。違った音を出そうとしたり、他の、いわば現在のものに影響されているわけではありません。私たちが目指しているのは・・・そして、フリーダと私がスタジオで一緒になると、とてもABBAらしいサウンドになります。私たちの声の結婚のようなもので、ときには見分けがつかないほどです。
C:さて、来年5月のロンドンでのコンサートを楽しみにしている人も多いと思います。まず、11月にはアルバムが発売されます。その後、ABBAターも始まります。最初にこのアイデアを聞いたとき、あなたの頭の中には何が浮かんだのでしょうか?できるかな?とか。
A:ハハハ。でも、何度もやっているうちに、だんだん慣れてきました。私たちは、何台ものカメラと人に囲まれて、歌を歌っていました。そして、それが技術的に、私たちにも理解できない方法で、私たちと同じようにステージに立つ他の人たちに転送されたのですが、それはやはり私たちなのです。説明するのはとても難しいのですが、技術や照明がたくさん使われています。でも、最終的にはやってよかったと思っています。だって、すごく変化に富んでいたから。また、「もしかしたら、これが最後の作品になるかもしれない」という雰囲気もありました。今回のアルバムでも同じですね。
C:おお、そんなこと言ってはいけませんよ。もっと頑張ってくださいよ。
A:では、今のはカットで。
C:では、今の箇所はカットしますね。 ところであなたの2013年のソロアルバムですが、私は当時(2013年夏)は「Dance Your Pain Away」しか聴いていませんでした。
A:おお!そうなんですね。それはすごい。
C:全部歌えますけど、ここでは歌いませんよ。
A:多分、あなたが歌うとかっこいいのでしょうね。
C:アグネタさんのソロ、つまり次のソロアルバムの予定はありますか?
A:今のところありません。私はもうたくさんのことをしてきたと思っているし、そう感じている。だから、お約束はできません。私たちは、今あるもの、そしてこれから待っているものすべてに喜びを見出さなければなりません。
CN:そうですね。私も、あなたが私たちと一緒にいてくれると聞いたとき、とても嬉しかったことを付け加えさせてください。というのも、あなたはインタビューを受けるときに多少の制限があることを知ったからです。この先、あなたが公の場に姿を現すことはあるのでしょうか、どうでしょうか?
A:特にありません。でも、あなたがおっしゃるように、私は音楽業界から引退したことはありませんが、インタビューは制限をしていますし、私たちについていろいろなことが書かれていることも知っています。私たちは多くのインタビューに応じましたし、これまでも応じてきました。今後はせっかくカムバックしたのに、喋りすぎて台無しにしてしまう危険性があります。少しでも自分の中に残しておきたいものです。プライベートなことだけはね。
C:アグネタさん、私たちはそれを尊重していますし、「Svensktoppen」はとても喜んでいますし、驚きのあまり気絶しているリスナーもいるかもしれませんね。あなたが今回のインタビューに応じてくれたことを心の底から喜んでいます。改めて、チャートのトップを飾ることができて、本当におめでとうございます。
A:ありがとうございます。また、他のメンバーに代わってご挨拶をさせていただきます。皆、とても喜んでいると思いますよ。私たちにとっても大きな意味があります。
C:素晴らしいですね。またお話しできるといいですね。ここでプレゼンテーションをしていると、急に震えが来ましたよ。では、新しいナンバーワンを発表しましょう。ABBAの「Don’t Shut Me Down」です。アグネタさん、どうもありがとうございました。
A: こちらこそ、ありがとうございました。
Agnetha Fältskog i första intervjun efter Abbas comeback 19 september 2021 – Svensktoppen | Sveriges Radio