スヴァルバルド(※)で発見された寄生性扁形動物が、スウェーデンのポップグループABBAにちなんで命名されました。研究者たちは、ABBAの音楽に対する敬意とその音楽が彼らの生活に与えたポジティブな影響を示すために、この種にABBAの名前を付けました。
新種は、スウェーデン芸術プロジェクトの枠組みの中で、国立自然史博物館の無脊椎動物コレクションに保存されている多数の標本との慎重で長期的な比較の結果、発見されました。この種のラテン語名は「Derogenes abba」です。
この名前は、フランスの寄生虫学者ジャン・ルー・ジュスティーヌによって提案されました。国立自然史博物館で研究を担当していたチャヒネズ・ブグェルシュは、彼の好きなバンドABBAを聞きながら図面に取り組んでおり、この有名な人物を称えることにしました。
ABBAにちなんで種に名前を付けることは、ABBAがユーロビジョン・ソング・コンテストで優勝したブライトンの魔法の夜から50年を記念するものでもあり、同時にその記事が掲載された科学雑誌「Parasite」が100年の研究を祝うものでした。このような祝賀と科学的関与の混合は、研究者が文化的アイコンを称えながら、自分たちの分野の重要性を強調する方法の一例です、とチャヒネズ・ブグェルシュは述べています。
※スヴァルバルド(Svalbard):北極圏に位置するノルウェー領の群島です。ノルウェー本土の北方約650キロメートルに位置し、最大の島であるスピッツベルゲン島を含むいくつかの島々から構成されています。スヴァルバルドはその壮大な自然景観と独特の動植物群で知られており、特に北極グマやオオハクチョウなどの北極圏特有の野生動物が生息しています。
スヴァルバルドはまた、研究と観光の拠点としても重要であり、多くの科学者がここで気候変動や北極生態系の研究を行っています。気候は厳しく、夏でも気温は低く、冬には長い極夜が続きます。それでも、多くの人々がその独特の自然環境と美しい景色を楽しむために訪れます。