ABBA JAPANのホームページです。

ABBAファンのみならず、
ABBA初心者の方も楽しめるそんなサイトです。
充分にご堪能下さい。

劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

「ギミー!ギミー!ギミー!」——この4月はABBAへの愛をたたえて

ターコイズの羽根のボアをまとい、手すりを滑り降りるメリル・ストリープ、白いヴェールをかぶったアマンダ・セイフライド、そしてダモウチャリ・ビーチの真っ青な海――これらは、スウェーデンのポップグループABBAを思い浮かべたときに真っ先に浮かぶ映像かもしれません。

2008年公開の『マンマ・ミーア! ザ・ムービー』は、まだ20年も経っていない映画ですが、そのタイトル曲を収めたアルバムは今年4月21日で50周年を迎えます。ABBA公式サイトによれば、このセルフタイトルの3枚目のアルバムは「ABBAがついに自分たちのスタイルを確立した作品」とされています。

この輝かしいアルバムの50歳の誕生日を祝って、「Cat’s Collection」がABBAの多才さを物語る5つの代表曲を紹介します。

「マンマ・ミーア」(1975)

「チクタク、チクタク、チクタク」――ベニーのピアノがこの圧巻の一曲をリズミカルに導きます。そのすぐ後、ビヨルンのエレキギターが切り込み、抑えきれない切望と欲望が「マンマ・ミーア」全体に流れ込みます。

「あなたに裏切られたのがいつからかも思い出せない/でももう決めたの、これで終わりよ」と、ボーカルのアグネタとフリーダは冒頭で歌い上げます。しかし、恋の魔力に勝てず、彼女たちの決意はあっさりと崩れます。プレコーラスではこう歌います:「ひと目見るだけでベルが鳴る/もう一度見たら、全部忘れちゃうの、わあ」。

元カレを振り切ろうとした強気な姿勢は、コーラスで完全に崩壊します。「マンマ・ミーア、また行っちゃう/ああ、あなたをどうして拒めるの?」。

この感情の揺れ動きに共感するリスナーは多いでしょうが、本楽曲の真の魅力はベニーとビヨルンによる卓越したプロダクションにあります。ピアノは執念のように鳴り響き、ギターは鋭く空気を切り裂き、微かなシロフォン(木琴)のリフが絶妙に挟まります。まるで曲そのものに心臓があるかのような息づかいが、私たちを魅了し続けます。

「ダンシング・クイーン」(1976)

ABBAを語る上で「Dancing Queen(ダンシング・クイーン)」を外すことはできません。筆者の大学1年生時の寮のソングフェストでの替え歌(「This is the Complex dream…」)によって、原曲に少々変な記憶がついてしまいましたが、それでもなお「Dancing Queen」は多くのファンの心を掴み続けています。

冒頭からフックの効いた一節が始まります:
「踊れるよ、陽気に揺れて/人生最高の時を過ごしてる/あの子を見て、あのシーンを見て/ダンシング・クイーンを楽しんで!」。

実際に踊れなくても、この曲を聴けば身体が勝手に動き出します。エネルギッシュかつエンパワリングで、まるで陽気な洗脳のよう。美しいハーモニーが包み込み、リズムが誘い、歌詞が自信を与えてくれる――だからこそ「Rolling Stone」誌はこの曲をABBAのベスト曲に選出したのでしょう。まさに「若くてスイートな17歳のダンシング・クイーン」のように、この曲も永遠に若々しく、タイムレスな魅力を持っています。

「ギミー!ギミー!ギミー」(1979)

「Gimme! Gimme! Gimme!(ギミー!ギミー!ギミー!)」は、ABBAがエレクトロポップに本格的に踏み込んだ楽曲。エレクトリックストリングスが冒頭から響き、フォルツコグとリングスタッドのハーモニーが機械的なまでにクールに響きます。

歌詞はまるで映画のワンシーンのようで、孤独な女性が真夜中の空を見上げながら恋を求めて叫ぶ物語が描かれます。「外には誰もいない/私の祈りを聞いてくれる人もいない」と歌い、心の叫びが空にこだまします。

コーラスは内に秘めた欲望を熱く表現します:
「ギミー!ギミー!ギミー!真夜中過ぎの男を/この闇を越えて朝まで連れて行って」。

サビの後には、アンダーソンのシンセサイザーのリフが加わり、欲望がさらに高まっていきます。孤独な夜に鳴り響くABBAの歌声は、慰めであり、癒しでもあります。

「ザ・ウィナー」(1980)

この曲は、ABBAの持つもうひとつの才能、つまりバラードの表現力を示す名曲です。他の明るい楽曲とは異なり、この曲では制作の華やかさよりも率直な歌詞に重きが置かれています。

冒頭のピアノと柔らかなハーモニーが、静けさの中に切なさを運んできます。アグネタが静かにこうつぶやきます:
「私たちが経験したことについて話したくないの…/もう言うべきこともない、切るカードも残っていない」。

そしてコーラスでは、悲しみを力強くこう表現します:
「勝者がすべてを手に入れ/敗者は小さく取り残される」。

この曲では愛が勝者と敗者が出るゲームとして描かれ、アグネタは恋愛に敗れ、孤独を受け入れます。
「あなたも心の奥では、私が寂しがっていることをわかってるはず/でも何が言えるの? ルールは守らないと」

このように、「ザ・ウィナー」はABBAの陽気なポップソングとは一線を画し、脆さと敗北感を描いた珠玉の一曲。人間的な弱さを包み隠さず表現したことで、彼らの音楽的幅広さを証明しています。

「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」(1977)

「私は特別なんかじゃない、むしろちょっと退屈な人間」と、アグネタがこの曲の冒頭で歌います。
2024年6月に、スウェーデン王カール16世グスタフと王妃シルビアからABBA全員がナイトの称号を授与されたことを思えば、彼女のこの発言には逆説的な魅力があります。

やがて彼女はこう認めます:
「でも私は素敵な才能を持ってる/私が歌い出すと、みんなが耳を傾けるの」。

これはただの自己卑下ではなく、ABBAがポップスターとしての恵まれた立場とファンへの感謝を込めた歌です。

アグネタに続いて、ベニー、ビヨルン、フリーダも加わり、鳥肌が立つようなコーラスを奏でます:
「だから私は、音楽にありがとう/私が歌うこの歌にありがとう/たくさんの喜びをくれてありがとう」。

この曲は、ベニー=ビヨルン作品としては派手さは控えめですが、ABBAの本当の愛=音楽への敬意を込めた、心に響く名曲です。

https://www.emorywheel.com/article/2025/04/gimme-gimme-gimme-abba-appreciation-this-apri


ホームページ作成ホームページ制作京都