『The Show-A Tribute to ABBA』日本公演まであと7日となった。
当サイトでは「披露曲」を予想し、その曲の解説をしていきたいと思う。
今日は「ヴーレ・ヴー」(画像は1979年秋、ロンドン・ウェンブリーアリーナ)
『The Show』はこの映像を数百回は観ている。どこが似ていて、どこにインスピレーション受けているのか?あらかじめ、ABBAの画像を観ていくと面白いのだ。
日本公演の4人のパフォーマンスは果たして??
「ヴーレ・ヴー」 VOULEZ-VOUS
一九七九年、とにかく日本で爆発的な大ヒットとなったディスコ・ナンバーだ。江夏一樹という日本の歌手が「熱くなれ」というタイトルでカバーしている(売れ筋の程は定かではないが)。オリエンタルなギター・リフ、簡潔で覚えやすいタイトル、それ以上にリスナー誰にでもすんなり入ってくる覚えやすいキャッチーなメロディ。あの「アハッ!」という合いの手はまさにABBA流。普通ならばサックスの演奏で処理するべき箇所だろう。「ヴォーカルも楽器のひとつとして考える」というベニーならではの絶妙なアイディアだ。
本作はビヨルンとベニーがバハマ滞在中に書き上げた作品で、マイアミでバッキング・トラックのレコーディングが行われている。ところが、それまで気心の知れた長い付き合いのミュージシャンとしか仕事をしてこなかった二人にとって、遠く離れた外国で見ず知らずのミュージシャンたちとレコーディングするというのは相当なプレッシャーだったらしく実際に彼らとの意思疎通もなかなか上手くいかなかった。結局はストックホルムに戻ってからレコーディングをやり直し、マイアミでレコーディングした音源は一部しか使われなかった。
アルバムからのサード・シングルとしてリリースされた「ヴーレ・ヴー」だが、低調なセールス結果だった。日本ではもちろん一位を獲得し大ヒットを記録したものの、当時ナンバー・ワンは当たり前と思われていたイギリスでは最高三位。また、デビュー当時からABBA人気の高かったドイツでも十四位、熱狂的なABBA・マニアの吹き荒れていたオーストラリアではなんと七十九位という低調ぶり。欧州でナンバー・ワンを獲得したのはベルギーのみで、オランダでは四位、フランスとスペイン、スイスでは九位をマークするのがやっとだった。では「ヴーレ・ヴー」は失敗作だったかと言えば決してそのようなことはなく「ABBA〝でさえも〟ディスコ?」と、今までポップスの歴史を塗り替えてきたABBAだっただけに、「所詮、ABBAも世間に迎合するグループだったのか」と欧州では、反感の目で見られていたようだ。本国スウェーデンでは「結局、ABBAもなんだかんだいって、商業主義に巻き込まれだけじゃないか」と非難されることもしばしばあった。ABBAはただただ、音楽を愛し、自分たちが作りたいと思った曲を提供して来ただけなのに、生涯〝唯一〟となるディスコ・ソングのアルバム『ヴーレ・ヴー』、その中でも中心の「ヴーレ・ヴー」は、前作『ジ・アルバム』からのあまりの変貌さに戸惑いを見せた欧州ファンのささやかな抵抗だったのかもしれない。「餅は餅屋」。ABBAはディスコなぞの色に染まってほしくなかったと当時は捉えていたようだ。
ツアースケジュール
・9/10(月)18:30開場: 熊本市民会館*初日(オープニング)
・9/11(火)18:30開場:福岡サンパレス・
・9/12(水)18:30開場:上野学園ホール
・9/13(木)18:30開場:オリックス劇場
・9/14(金)18:30開場:一宮市民会館
・9/17(月・祝)13:30開場:新宿文化センター
・9/17(月・祝)17:30開場:新宿文化センター
・9/18(火)18:30開場:新宿文化センター
・9/19(水)18:30開場:新宿文化センター*千秋楽
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