『レンズを通した私の人生』。ABBAの伝説的人物ビヨルン・ウルヴァース(75歳)が、お気に入りのスナップの裏話を語りました(有名人がお気に入りの写真の背景にあるストーリーを紹介しています。今週はABBAの伝説的人物、ビヨルン・ウルヴァースです)。
1957年: 僕は12歳で、この写真からわかるように僕は恥ずかしがり屋さんでした。アコーディオンを持っているのはトーレと言う名の男性で、彼は僕たち家族の大切な友人でした。おそらく僕が知っている中で最も親切な男だと思います。ここは私の小さな故郷であるスウェーデンのヴェステルヴィクの近くにある彼の小さな夏の別荘の外です。大人たちはコーヒーを飲んでいますが、アクアビットが入っていたかもしれません。
1958年: いとこのジョーンが立ち上げたスキッフルバンドで僕は演奏しました。最初に買ったギターはあまり良いものではなかったので、いとこが持っていたようなギターが欲しかったですね。それで、父が工場長をしていた叔父の製紙工場で夏の間ずっと働き、夢のギターを買うのに十分なお金を稼ぎました。ソアはギターを買うためにヨーテボリまで私を車で送ってくれたのですが、家に帰る途中で車を停めて、この写真を撮ってくれました。
1963年: 18歳の時、僕は学校で勉学に集中しようと決めました。しかし、母は僕が所属していたバンドのコンペに参加するように勧めてくれて、ストックホルムから来た2人の男たちに僕たちは見いだされたのです。レコード契約と『The Hootenanny Singers』という馬鹿げた名前を与えられたのですけどね。僕は宣材写真が必要だったので、地元の写真家のところに行ったのですが、彼は手を振るように勧めてくれたのです。
1973年: ラジオでアグネタの声を聞いていた僕は、その声を聞いているだけで恋に落ちそうになっていたのですが、なんと1960年代の終わりに彼女と出会えたのです。僕たちはあっという間にカップルになりました。僕は1966年のパーティでベニーと出会い、夜通し、大きな樫の木の下でビートルズの曲を演奏しました。僕たちは皆それぞれ個別に活動していたので、数年間はグループ(ABBA)を結成しようとは思いもしなかったんですよ。アグネタと僕は1971年に結婚し、この写真は僕たちの最初の子供、リンダが生まれた日に撮影されたものです。その4年後に息子クリスチャンが生まれました。
1974年: ユーロビジョンのためにブライトンに行く前に、タブロイド紙が僕たちの名前を何と呼ぶべきかを選ぶコンテストを行ないました。僕たちはフリートウッド・マックのようなクールなものを望んでいたのですが、読者の80%が(マネージャーのスティッグ・アンダーソンが考えた)僕たちの名前の最初の文字の頭文字をとった『ABBA』が良いという結果になったので、僕たちは選択の余地がなくなりました。実はスウェーデンには「アッバ(Abba)」という魚の会社があったのです。まず彼らに「ABBA」と言う名称を使ってよいか?OKをもらう必要がありましたが反対されませんでした。「恋のウォータールー」でユーロヴィジョンで優勝し、一夜にしてセンセーションを巻き起こしました。僕たちは指揮者にナポレオンの格好をさせました。彼は僕たちと一緒に写真に写っていますし、マネージャーのスティッグ・アンダーソンも一緒です。
1975年: ユーロビジョンの後、僕たちは自分たちのことを「グラム・ロック・アーティスト」だと思っていたので、大変な一年でした。1975年の終わりに「SOS」と「マンマ・ミーア」をレコーディングして、自分たちがポップ(ス)・グループであることを知ることになりました。イギリスでは「ユーロビジョンの一発屋」だと思われていたけど、イギリスのレコード会社が新曲をリリースしてくれて、その後はどの曲も1位になったんだよね。
2004年: この写真は、フリーダと私とプリンス・オブ・ウェールズ、カミラ、ジュディ・クレイマーとの写真で、ミュージカル『マンマ・ミーア!』のロイヤル・ガラ公演で撮影されたものです。ジュディの最初のアイデアは、ABBAの曲をベースにしたテレビスペシャルで、その後、劇を作り、最後にミュージカル製作を行なう予定でした。僕はこの後、ジュディと劇作家のキャサリン・ジョンソンと一緒に昼食をとったのですが、ジュディが言うには、僕たちの初期の曲は10代のファンを対象にしたもので、その後、徐々に成熟したものになっていったようです。
2019年:妻レナと僕は40年間一緒にいて、これは映画の試写会での僕たちです。アグネタと僕は1978年秋に別居しようと決めました(79年1月8日に離婚)。その年のクリスマスは子供たちと一緒に過ごし、翌日、彼女は僕たちの家から10分ほど離れたところに引っ越したのです。大晦日にはベニーとフリーダのパーティがあり、僕は別の女性と一緒に行きました。でも、広告代理店のコピーライターのレナも来ていて、一晩中話し込んでしまいました。一緒に行った女性にはひどいことをしてしまいましたが、レナには一目惚れだったのしょうがないですよね。レナと僕は、僕がアグネタとすぐに恋に落ちたように、あっという間にカップルになったんです。なぜかわからないけど、すぐに恋に落ちる男もいるんだよね。それが「僕」。