ABBAのデビュー曲である「恋のウォータールー」がアメリカ・ビルボード6位に入ったとき、アメリカはABBAを「一発屋」だと思っていた。しかし「SOS」「マンマ・ミーア」など次々にヒット曲を連発するとアメリカは急にABBAに冷たくなりました。「このままではアメリカはABBAに乗っ取られる」。そんな危機感から唯一NO1にしたのは「ダンシング・クイーン」だけでした。以前から筆者が語っているようにアメリカ・ビルボードではABBAをNO1にしないように操作されたわけです。
「Showbiz Cheat Sheet」にそれを裏付ける記載がありましたので2回に分けてご紹介いたします。
ABBAは古典的なロックバンドとは程遠い存在だ。彼らの影響は非常に広範囲に及んでいて、1970年代のヒット曲に影響を与えた。奇妙なことに、このロック・ソングは当初ジョークのつもりで作られたものです。
◆チープ・トリックがジョークの曲を書いた理由
チープ・トリックはビートルズやローリング・ストーンズほど多くの名曲を世に送り出したわけではないかもしれないが、彼らにはそれなりに良い曲がある。1970年代の多くのロックバンドと同様に、ディスコの流行は彼らのサウンドに影響を与えました。ウィングスやキスがディスコの人気に触発されてディスコの曲を作ったのに対し、チープ・トリックは 「I Want You to Want Me」”というジョーク曲でディスコの音楽に対応することにしました。
「私の記憶では、彼はちょっとしたジョークとしてその曲を作っただけだと思います」とチープ・トリックのトム・ピーターソンはLoudersoundに語った。彼はこう考えました。「くだらないポップな曲を作って、それをヘヴィなバージョンにするんだと。彼はそれで何が起こるかわからなかったんだ。ヘヴィ・メタル・ポップスのような曲にしようと考えていたんだ。チープ・トリックがABBAをやっているようなもので、非常にヘヴィなバージョンを除いてね」
◆「I Want You to Want Me」は本当にABBAの曲のようなものなのか？
「I Want You to Want Me」がABBAの曲のヘヴィ・メタル・バージョンだという考えは奇妙に思えるかもしれません。ヘヴィ・メタルと呼ぶには十分な「ヘヴィ」ではないかもしれない。また、プロダクションもABBAの曲のようには聞こえません。しかし、この曲のインストにはヘヴィメタルの要素がある。また、「I Want You to Want Me」と多くのABBAの曲との間には、そのシンプルで直接的な歌詞のための類似性があることは間違いありません。
◆「I Want You to Want Me」がヒットした経緯
チープ・トリックは彼らのライヴ中にこの曲を演奏し始めた。Ultimate Classic Rockによると、この曲への反応は生ぬるいものだったという。しばらくして、バンドはこの曲をナイティで演奏するつもりはなかったという。その後、東京でのステージに立つ直前に、バンドのマネージャーは、彼らはそれがあまりにも短くならないように、彼らのセットに別の曲を含める必要があると言いました。彼らは「I Want You to Want Me」を演奏することにしました。
この「I Want You to Want Me」は、チープ・トリックのライブアルバム『Cheap Trick in Budokan』に収録されている。このアルバムは、アメリカでは輸入盤としてしか購入できなかったにもかかわらず、驚くほど売れたそうです。そのため、Epic RecordsはアメリカでCD『チープ・トリック・at武道館』をリリースしました。ライブ・バージョンの「I Want You to Want Me」はアメリカでヒットし、アメリカのチャートで7位を記録しました。今日に至るまで、この曲はチープ・トリックの代表曲の一つであり続けています。
＊チープ・トリック（Cheap Trick）は1974年にシカゴ郊外にあるロックフォード市で結成、1977年にデビューしたアメリカのロックバンド。ライヴ・アルバム『チープ・トリックat武道館』がヒット作となり、日本武道館の名を世界中に知らしめたバンドとして有名である。世界での売り上げ枚数は2000万枚を超えている。
