人生には、おそらく一生忘れることができない、言葉では言い表せないようなことがある。ロンドンで行なわれたABBAのVoyageショーのプレミアに参加したことは、疑いなくその一つである。
子供の頃、家族でドライブに出かけるたびに、後部座席でABBAのゴールドを聴かされ、彼らは私の人生において不変の音楽であった。そして、私の青春時代の車のCDプレーヤーの常連とは異なり、彼らは何度でも何度でも聴きたくなる存在なのだ。
2022年5月26日(木)、カイリー・ミノーグやケイト・モスといった有名人が押し寄せる中、専用のABBAアリーナに充満した電気的な雰囲気のような興奮を経験したことはないだろう。
ビヨルン、ベニー、アグネタ、フリーダがスクリーン上の異常なほどリアルなABBAターとしてではなく、実際にそこにいたからこそ、ABBAファンやショーに参加した人なら誰でも長く記憶に残る日付になったのです。
ABBA Voyageのチケットをお持ちの方は、「最高の映画と最高のライブが一緒になったような作品」と表現していただけると思います。Voyageは単なるショーではなく、体験であり、完璧なポップへの旅なのです。
ABBAの技術的な賛辞による外観、歌声、話し声がぴったりであるだけでなく、没入感のある特殊効果がステージ上のスクリーンをはるかに超えて広がっているのだ。「ギミー!ギミー!ギミー!」が始まる頃には、会場は満員のナイトクラブのような雰囲気になり、音楽はノンストップでABBAの名曲が流れ続けた。
何年もの間、王座に就こうとする人たちがいたかもしれないが、ポップということに関しては、誰もABBAの上には立てないということだ。彼らは、当然のことながら、今でも他のすべての人の上に立っている。そして、ABBA Arenaの夜は、その理由を示すすべての証拠を提供してくれる。
「SOS」「悲しきフェルナンド」「チキチータ」などは相変わらずの楽しさだし、「ダンシング・クイーン」はこれまでも、そしてこれからも古びることはないだろうし、「ザ・ウィナー」は気難しさとアンセムの両方を兼ね備えている。これほどまでに歌詞と音楽が豊富な曲は他にないだろう、脱帽だ。
ABBAとは、この日のライブに登場した4人組の総称で、ステージを飾るのは、とてつもなく満足感が高く、魅惑的で巧妙なケーキの上にのったチェリーである。
コンセプトとしては、ABBAターとしてのABBAはうまくいくはずがないのだが、間違いなくうまくいっている。