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*公演日時
10月2日19:00
10月3日19:00
10月4日13:00 (公演後に舞台裏トークあり)、19:00
10月5日13:00、19:00
前売り券: ¥4,000
当日券: ¥4,500
学生: ¥2,500
劇場:シアターサンモール新宿
東京都新宿区新宿1−19−10サンモールクレストB1
<第二幕ストーリー後編>
8. The Deal [No Deal] (取り引き、不成立)
アービターが入って来た。第二幕のメンバーも登壇する。
陰謀はますます激しくなる。登場人物のそれぞれが競うように策略を繰り広げ、それが競技会でのCHESS盤上の策略にも影を落としていく。アービターは、この状況を監視しようとするができない。
モロコフはスヴェトラーナにアナトリーを取り戻すよう指示を出し、スヴェトラーナはアナトリーに詰め寄る。二人は気まずい雰囲気になる。
モロコフとウォルターは何やら密談している。明らかに彼らは自分達の利益の為に同盟を組んで、このバンコクでのCHESS大会で策略を練っている。
ウォルターは、フローレンスの父親はブダペストで死亡しておらず、ソ連で30年間投獄されているという知らせでフローレンスを動揺させる。この選手権が「いい結果」になれば、フローレンスの父親は西側諸国への移動が許されるというのだ。フローレンスはウォルターの言うことを信じていいのかどうかわからない。ウォルターは、フローレンスがこちらの思い通りに動くだろうとモロコフに伝えるが、念のためフレディの協力も取り付ける。
フレディは強引にアナトリーのもとに乗り込み「取り引き」をもちかける。そう「アナトリーが試合に負ける」か「勝って、ソ連に帰順するか?」。そうすればフローレンスのお父さんは解放されるという「取り引き」だ。ただでさえもスヴェトラーナが、ここバンコクに来て動揺を隠せないのににもかかわらず、アナトリーは気が狂いそうだった。だがアナトリーは見事な調子でもって最初の2ゲームを勝ち進む。アナトリーの連勝がここで滞ることになったら、ソビエトから入手したというフローレンスの父にまつわる話を彼女の耳には入れずにおこうとフレディは切り出した。この情報とは非常に好ましくないもので、彼女の父は、実は〝英雄〟ではなく裏切り者で、多くの人の死を招いた張本人だというものだった。アナトリーはフレディの話を信じるべきか迷うが、フレディを追い払う。
フレディは次にフローレンスに「取り引き」を迫る。アナトリーがフローレンスの為に試合を放棄するように企てる。彼女がアナトリーの元に戻ってくれたなら二人は史上最高のチームに成り得るばかりか、彼女がいつも望んでいたお父さんの消息の情報をも提供しようと持ち出した。だが、彼女もまた「取り引き」を拒む。フレディは何としてもフローレンスを自分の元に戻したかったのだ。だが、フレディはフローレンスにも軽蔑される。
9. Pity The Child #2
10. I Know Him So Well(アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウエル)
フローレンスに拒否され、アナトリーに蔑まれ、政治に利用されたフレディは、ついに疲れ果てる。傲慢で偉そうな自尊心のマスクは剥がれ落ちてしまう。同じく悲しんではいるが、自制心は失っていない愛人(フローレンス)と妻(スヴェトラーナ)は、自分が愛する同じ男(アナトリー)のことを歌う。
https://www.youtube.com/watch?v=LeMk7B46xg8
https://www.youtube.com/watch?v=D86X_1Hb2Z4
[フローレンス]
素敵なモノには終わりがある
完璧なモノもどこからかひび割れが起きることもある
それでもこなごなになることなく
できるだけ長くもてば良いと願う
振り返ると思う、もし、あの時違う風が吹いていたらと
もう少し時間が持てたのにと
彼を知るのに時間がかかったの
でも、今の私には彼の事はよく分かる
素晴らしがったわね(スヴェトラーナ:素晴らしかったわ)
彼は素敵だったわね(スヴェトラーナ:そう、とっても)
全く馬鹿みたい
[二人一緒に]
私のものにならないなんて
[フローレンス]
結局、私じゃ物足りないのよね……彼が求めているのは冒険じゃなくて安全なモノ
[スヴェトラーナ]
夢と自由が必要なのよ
[二人一緒に]
彼の事はよく分かる
[スヴェトラーナ]
人生、永遠に関係が壊れそうじゃない人なんていない
その人の味方についても、完璧な友情(愛情)関係なんてありえない
彼のそばにいる為に私の世界を変えたとしても
二人の溝は、あまりにも深すぎるんだわ
振り返ると思う、もし、あの時違う風が吹いていたとしたら
(フローレンス:振り返ると思う、他の道もあったのにと)
恋の虜になる前にもっとよく知るべきだった
(フローレンス:少し気を許していたのね)
まだまだ私もお嬢ちゃまね
(フローレンス:今、彼の事がよく分かる)
今なら彼の事がよく分かる
素晴らしかったわね(フローレンス:素晴らしかったね)
彼は素敵だったわね(フローレンス:そう、とっても)
全く馬鹿みたい
[二人一緒]
私のものにならないなんて
コトの成り行きに
全然、気がついていなかった
分かっていたなら
どうして、今、私は今、傷ついているの?
[スヴェトラーナ]
素晴らしかったわね
彼は素敵だったわね
[フローレンス]
全く馬鹿みたい
[二人一緒に]
私のものにならないなんて
[フローレンス]
結局、私じゃ物足りないのよね……彼が求めているのは冒険じゃなくて安全なモノ
[スヴェトラーナ]
夢と目由が必要なのよ
[フローレンス]
今なら、彼の事がよく分かる
[スヴェトラーナ]
彼を知るのに時間がかかった
[二人一緒に]
今なら、彼の事がよく分かる
11. Talking Chess
ソ連の〝CHESS・マシーン〟との戦いは5勝5敗となった。アナトリーは混乱していた。自分が勝てばフローレンスの父親は帰ってこない。だが負けることは世界チャンピョンとして許されることではない。このまま逃げるわけにはいかず、アナトリーはCHESSの試合を続けなければならなかった。自分に襲い掛かってきた様々な問題から逃れて気持ちをCHESSに戻そうと、アナトリーはバンコクの公園で一人打つ手を考えていた。そして突然、隣に立っているフレディに気づく。アナトリーは、このかつてのライバルはCHESSのことを話したいだけなのだと分かって驚かされる。フレディは、ゲームを見ていて気が付いた挑戦者ビガンドの弱点を挙げる。
12. Endgame #1 (エンドゲーム)
13. Endgame #2
14. Endgame #3 / Chess Game #3
スコアは5対5、どちらにとっても勝利まであと1ゲーム。アナトリーが負け、ビガンドが新チャンピオンになるだろうと会場の誰もが思っていた。偉大なCHESS・プレイヤーがいつの時代もそうであるように、アナトリーは、自身の複雑な人生に翻弄されている。政治の世界で、またプライベートでも、フローレンスに、スヴェトラーナに、モロコフに、ビガンドに悩まされている。自分が自分に正直でいられるたった一つの方法は、ゲームで最高のスキルを見せることだ。アナトリーは、フレディが公園で見せたように、CHESSを通して自分自身を取り戻し始める。アナトリーは、困難な状況を乗り越えて勝利する。
15. You And I [Reprise](ユー・アンド・アイ・リプライズ)
フローレンスとアナトリーは、一緒にいられる時間が終わったことを知る。だが、お互いへの愛情は終わっていない。アナトリーはモロコフから提示された「フローレンスのお父さんを戻す」為にソビエトに帰順することを決めた。そう、アナトリーはCHESSの戦いに負けるか、あるいは勝ってソビエトに戻れば、フローレンスのお父さんは牢獄から解き放たれることを約束されたのだ。従順で真面目なCHESS世界チャンピョン防衛者アナトリーは、自分がソ連に帰ることでフローレンスの父親が解放されたのであればいいと願う。
https://www.youtube.com/watch?v=hjryn5M85z8
https://www.youtube.com/watch?v=hjryn5M85z8
[アナトリー]
きみを求め
きみを愛していると知りながら
何故に無頓着でいられるのか
説明なんて出来はしない
[フローレンス]
私か馬鹿だったわ
夢が叶うと期待し過ぎてしまったの
[アナトリー]
こんなにきみを愛しているのに何故に動きがとれないのか
[二人一緒に]
だらだらと長い行列の中で
私は毎日毎晩祈っている
そのうち悲しみに押し潰されてしまいそう
あなたと私
全て一緒に見てきた
互いの心のおもむくままに
だけど私達の場合
無理にハッピーエンドを
装っている
[アナトリー]
尽くすだけ
尽くしてくれたきみ
でも何放心は
悶々としているのだろう
[フローレンス]
もう振り返らない
もし振り返ってもそれはほんの一瞬だけ
[アナトリー]
きみの事、理解していたと言えるだろうか
[二人一緒に]
今日聞いていて分かったのは
もうこの関係に打ち込めない自分
自分に対する間違った批判
あなたと私
全て一緒に見てきた
互いの心のおもむくままに
だけど私達の場合
無理にハッピーエンドを
装っている
16. Walter And Florence
アナトリーが去った後、ウォルターが父親の新しい情報を手に、フローレンスににじり寄ってきた。ウォルターはフローレンスに、アナトリーがソビエトに無理やり帰順したのはフローレンスの父親の為だったと教える。フローレンスは唖然とする。
ウォルターは最後にフローレンスにこう告げる。「フローレンスのお父さんが本当に生きていることなんて誰も知らない、ましてや、そのお父さんがフローレンスのもとに戻ってくるなんて……」。
フローレンスは一人残され、天を仰ぐ……
17. Anthem [Reprise]
エピローグ:それにしても、二人の関係は本当に終わったのだろうか?フロ―レンスもアナトリーも離ればなれではあるが、互いに心をかけ合い、これはハッピーな事件だったと思っていた。CHESSゲームと同様に恋のゲームも様々なバリエーションで駒は打てる、おそらくこれも膠着状態に陥ってしまった多くのゲームの1つにすぎないのかもしれない……。
人生とは誰かの手によって邪魔されたり、逆にチャンスを得たり。それでも人は人として生きていかなければならない。例え、誰かの見えざる手によって行く手を阻まれても……。今後、どうなるかなんて誰にもわからない。今は今の自分をありのまま引き受けること、それが大事だと分かった時、人は次の一歩を踏み出せるのである。FIN
<第二幕終了>