『CHESS』の第一幕は「アナトリーの亡命」で終わったが、「第二幕」はそれから一年後の『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』大会から始まる。
この一年間、第一幕で出て来た各人にもそれぞれ変化はあった。果たして、どのような「変化」があったのか?それがいきなり「ワン・ナイト・イン・バンコク」の曲と共に始まる。
そう、メラノから一年後の『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』大会は、場所をタイのバンコクに移す。
<『CHESS』海外での配役と日本公演で演じる俳優名~第二幕~>
フレデリック(フレディ)・トランパー:前世界CHESS・チャンピョン、なんと「メディア」に転身!(中川晃教 -Akinori Nakagawa)
アナトリー・セルゲイフスキー:現世界CHESS・チャンピョン、西側に亡命し、今回は西側(アメリカ)代表として出場するが……(石井一孝 -Kazutaka Ishii)
フローレンス・ヴァッシー:フレディと別れ、アナトリーの新しい生活を始めて一年、だが……(安蘭けい -Kei Aran)
アービター(審判員):ワールド・CHESS・チャンピョンシップの審判(田代万里生 -Mario Tashiro)
スべトラーナ・セルゲイフスキー:アナトリーの貞淑な妻、そして修羅場に!(AKANE LIV)
ウォルター・コーシー:世界CHESS選手権の司会者、グローバル・テレビジョン(戸井勝海)
レオノイド・ビガンド:新しいソビエトのCHESS・チャンピョン、通称〝CHESS・マシーン〟
*モロコフ:前アナトリーのセコンドで、新たなソ連側のセコンド兼KGB……世界中の『CHESS』公演では必ず出て来るが、梅田芸術劇場取材の『CHESS』ではなぜか出さない。今回は如何に!?
<第二幕大意(ストーリー)>
あれから1年が過ぎた。今年の『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』大会がタイのバンコクで行われようとしていた。現在の世界チャンピョンは西側に亡命したアナトリー。彼の対戦者は挑戦者のロシア人の“CHESS・マシーン”ことレオノイド・ビガンド。アナトリーのタイトル防衛戦だ。昨年とは逆の立場だ。しかも今年はアメリカ代表として、ソ連のチャンピョンと戦わなければならない。このソ連の挑戦者はやはり、モロコフとその仲間達にコントロールされている。昨年までの世界チャンピョンのフレディは、今はCHESS・プレイヤーからは引退し、この競技会にはTVのコメンテーターとしてやってきた。フレディは、プレイヤーの重圧から解放されてリラックスしているようで、メラノとはまったく対照的なバンコクの怪しげな魅力には無関心だ。
ウォルターとフレディは、これから始まる選手権のテレビ放送の確認をしている。試合が始まる。アナトリーは先に1勝したものの、2戦目を落としたところから集中できないようだ。彼は、かつてのライバルのフレディが来ているために落ち着かないとフローレンスに告げる。フローレンスは、フレディがここバンコクに来ているのはお金のためであって、自分たちの人生を邪魔するためではないと安心させる。だが、さらに不安にさせるニュースが入る。アナトリーの妻、スヴェトラーナがバンコクに来るというのだ。二人の関係に初めて不穏の種が蒔かれた。
一方モロコフは優れた“CHESS・マシーン”Viigandに絶対的な信頼を持っていた。アナトリーのように妻が突如現れるといった個人的な問題に邪魔されることもなく、彼の勝利に確信を抱き、歓喜に酔っている。モロコフにとって都合のいいことに、ウォルターは、アナトリーに衝撃を与えるようなテレビインタビューを手配してした。まず、インタビュアーは他でもないフレディ・トランパー。それに、スベトラーナのビデオがあるのだ。無神経で口汚い個人的な質問がいくつも続いた後、アナトリーはスタジオから出て行く。ウォルターとモロコフが共謀して、アナトリーがゲームに負けてソ連に戻るように、このようなインタビューを仕組んだことが明らかになる。
スヴェトラーナ・セルギイフスキーは、バンコクで一人ぼっちで悲しんでいるが、妻としてただずっと思い悩んでいるだけではない。彼女は、アナトリーとのごたごたの後には明るい未来がきっとあると感じている。
陰謀はますます激しくなる。登場人物のそれぞれが競うように策略を繰り広げ、それが競技会でのCHESS盤上の策略にも影を落としていく。アービターは、この状況を監視しようとするができない。モロコフは、スヴェトラーナにアナトリーをソ連に連れて帰るように圧力をかけ、夫婦は気まずい対面をする。ウォルターは、フローレンスの父親はブダペストで死亡しておらず、ソ連で30年間投獄されているという知らせでフローレンスを動揺させる。この選手権が「いい結果」になれば、フローレンスの父親は西側諸国への移動が許されるというのだ。アナトリーは、負けてモスクワに戻らなければならない。フローレンスはウォルターの言うことを信じていいのかどうかわからない。ウォルターは、フローレンスはこちらの思い通りに動くだろうとモロコフに伝えるが、念のためフレディの協力も取り付ける。フレディは、アナトリーがフローレンスの為に試合を放棄するように企てるが、アナトリーに一蹴されるばかりか、フローレンスにも軽蔑される。
フローレンスに拒否され、アナトリーに蔑まれ、政治に利用されたフレディは、ついに疲れ果てる。傲慢で偉そうな自尊心のマスクは剥がれ落ちてしまう。同じく悲しんではいるが、自制心は失っていない愛人(フローレンス)と妻(スヴェトラーナ)は、自分が愛する同じ男(アナトリー)のことを歌う。
しかし、CHESSの試合は続けなければらない。アナトリーは、家庭の問題から逃れて気持ちをCHESSに戻そうと、バンコクの公園で一人打つ手を考えている。そして突然、隣に立っているフレディに気づく。アナトリーは、このかつてのライバルはCHESSのことを話したいだけなのだと分かって驚かされる。フレディは、ゲームを見ていて気が付いた挑戦者Viigandの弱点を挙げる。
スコアは5対5、どちらにとっても勝利まであと1ゲーム。アナトリーが負け、Viilgandが新チャンピオンになるだろうと誰もが思っている。偉大なCHESS・プレイヤーがいつの時代もそうであるように、アナトリーは、自身の複雑な人生に翻弄されている。政治の世界で、またプライベートでも、フローレンスに、スヴェトラーナに、モロコフに、Viigandに悩まされている。自分が自分に正直でいられるたった一つの方法は、ゲームで最高のスキルを見せることだ。アナトリーは、フレディのようにCHESSを通して自分自身を取り戻し始める。アナトリーは、困難な状況を乗り越えて勝利する。
フローレンスとアナトリーは、一緒にいられる時間が終わったことを知る。だが、お互いへの愛情は終わっていない。アナトリーは国に帰らなければならないが、ありのまま自分に戻り、そして今なおチャンピオンだ。アナトリーは、これでフローレンスの父親が解放されたのであればいいがと願う。アナトリーが去った後、ウォルターは父親の新しい情報を手に、フローレンスににじり寄るのだった……。フローレンスのお父さんが本当に生きていることなんて誰も知らない、ましてや、そのお父さんがフローレンスのもとに戻ってくるなんて……。
*『CHESS IN CNCERT』スコア参照
第二幕終了FIN
大まかに「第二幕」のニュアンスは掴めたでしょうか?
フレディはかつての敵であった「メディア側」に転身し、昨年「メディア」から自分がされたと同じことをアナトリーに向け、発信し、アナトリーを攻撃します。全てはフローレンスを取り戻す為です。しかしフローレンスからは愛想をつかれ、もうフローレンスが自分の元に戻らないことを悟ります。そんな中、フレディは、かつての自分が『CHESS』に賭けた情熱を取り戻し、敗戦もやむを得ないアナトリーを助けます。フレディはゼロから人生をやり直すことに決めたのです。
フローレンスは、フレディが自分とアナトリーを執拗までに攻撃・干渉してくることに唖然とします。そして、1956年のブタペスト動乱で行方不明になった自分の父親が実は生きていることを敵国ソビエトのセコンドKGBモロコフや、グローバル・テレビジョンのウォルターや、フレディから聞き、動揺します。しかも最後はアナトリーが祖国に帰り、一人ぼっちになり、ウォルターから「お父さんが本当に生きていることなんて誰が知っているものか」と言われ、茫然とします。そうです。フローレンスは何もかも失ってしまったのです。そして、アナトリーがソビエトに帰った「本当の理由」を聞き、さらにショックを受けます。
アナトリーは西側(アメリカ)陣営になり、最初の『ワールド・CHESS・チャンピョンシップ』防衛戦をフローレンスと共に迎えますが、フレディからくだらないインタビューを受けたり、メディアからのしつこいインタビューにうんざりしていたところに、妻のスヴェトラーナがソビエトから来たことを知り、さらに動揺します。そしてあろうことか、フローレンスのお父さんが生きていることを知ります。その上、フローレンスのお父さんをフローレンスの元に戻すために「試合に負ける」か、「勝って、ソビエトの帰順」するよう求められ、心の中で格闘します。そしてアナトリーの選んだ道は「勝って、ソビエトに帰順」することでした。愛するフローレンスのもとを泣く泣く去って行きます。
アメリカ陣営のウォルターは「グローバル・テレビジョン」は独占放送も出来たし、誰が勝とうが彼には全く関係ありませんでした。彼は彼の役目を十分果たしたことに満足します。
新たなソビエトCHESSチャンピョンを引き連れ、彼のセコンドで登場したKGBのモロコフは、アメリカのウォルターと協力し、フローレンスのお父さんが生きていることでフローレンスを動揺させ、アナトリーに、フローレンスのお父さんを戻す為の条件を伝え、アナトリーのソビエト帰順に成功します。しかし、アナトリーと約束した「フローレンスのお父さんを戻すこと」を何でもなかったかのように知らぬ顔で、アナトリーとスヴェトラーナと共にソビエトに戻ります。
スヴェトラーナは本当はバンコクに来るはずではなかったのですが、モロコフの戦略にみすみすハマり、バンコクにやってきて、アナトリーと口論します。そして、フローレンスと自分とでは、どちらがアナトリーを本当に愛しているか?フローレンスに求めます。そして、ついにアナトリーを取り戻すことに成功します。しかしソビエトに帰って、そのままアナトリーと「新たな生活」が出来たかどうかはわかりません。
人が幸せになったり、不幸せになるのは、いつ、どんなことがきっかけで起こるかわかりません。他人の手により、人生が左右されることも多々あります。それはまるで『CHESS』のコマのように、神の手によって、なされるのです。
大事なことは、「後悔しない生き方」をすること。そして、人生は、いつ、どんな環境下でもやり直しがきくということ。『CHESS』はそんな人間の人生絵巻をミュージカルと言う形を通して、私達に伝えているのです。
果たして、あなたの人生は、どうですか?
〝日本で唯一〟『CHESS』のことを掲載している本が出ていますので(日本初!)あらかじめ「勉強」しておくのもいいかもしれません。
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上記ネット書店以外でもお近くのご書店でご予約・ご購入できます。
ご友人、お知り合いにもお伝え頂ければ嬉しく思います。
最後に、公演日とチケットの購入方法は下記通り。
<東京公演日程・東京芸術劇場>
2015年9月27日(日)~10月12日(月)*表をクリックすると大きくなります!
【出 演】 石井一孝 田代万里生 AKANE LIV 戸井勝海
【ゲスト】 浦井健治
※ 10/1(木)13:30 アフタートークショー by 安蘭けい 石井一孝 田代万里生 中川晃教
★ 9/30(水)18:30 スペシャルカーテンコール by 田代万里生
★ 10/2(金)18:30 スペシャルカーテンコール by 中川晃教
★ 10/6(火)13:30 スペシャルカーテンコール by 石井一孝
★ 10/9(金)18:30 スペシャルカーテンコール by 安蘭けい
CHESSプレイヤー小島慎也さんによる初心者でも分かるチェスト~ク開催!
「キャストと一緒にチェスを知ろう!」
# 第2回 10/7(水) 18:05~18:20 (開場17:50)
トークキャスト:角川裕明 遠山裕介
<会場>
U-25 当日引換券 ¥5,000 ※25歳以下対象(公演当日要証明書。梅田芸術劇場・チケットぴあのみ販売)
<プレイガイド>
http://www.cnplayguide.com/ (PC・携帯)
※ファミリーマート店内Famiポートでも直接購入できます
*お問合せ*
★ 10/19(月)18:30 スペシャルカーテンコール by 安蘭けい
★ 10/21(水)13:30 スペシャルカーテンコール by 石井一孝
★ 10/22(木)18:30 スペシャルカーテンコール by 田代万里生
★ 10/23(金)18:30 スペシャルカーテンコール by 中川晃教
<会場>
大阪市北区茶屋町19-1【アクセス】
阪急電車「梅田駅」茶屋町口より徒歩3分
阪神電車 「梅田駅」東出口より徒歩10分
JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩8分
御堂筋線「梅田駅」1号出口より徒歩5分
御堂筋線「中津駅」4号出口より徒歩4分
谷町線「東梅田駅」1号出口より徒歩7分
四ツ橋線「西梅田駅」3号出口より徒歩11分
U-25 当日引換券 ¥5,000 ※25歳以下対象(公演当日要証明書。梅田芸術劇場・チケットぴあのみ販売)
<チケット発売日>
<プレイガイド>
http://www.cnplayguide.com/ (PC・携帯)
※ファミリーマート店内Famiポートでも直接購入できます
*お問合せ*
Chess
Music by Benny Andersson and Björn Ulvaeus
Lyrics by Tim Rice
Based on an idea by Tim Rice
An amateur production by arrangement with SAMUEL FRENCH LTD.