2020年2月1日土曜日、2015年以来4年数か月ぶりに“梅田芸術劇場版”『CHESS THE MUSICAL』が東京・国際フォーラムで開幕した。
今回は2014年・東京インターナショナルプレイヤーズが“日本初”のミュージカル『CHESS』を上演した時と同様に『英語上演』である。英語が不得手の方の為に「概略」を説明しましょう。
<第一幕>
★プロローグ・ザ・ストーリー・オブ・CHESS(PROLOGUE/THE STORY OF CHESS) CHESSとはどのように始まったのか?どういうゲームなのかを?CHESSを取り仕切る「審判」るアービター(佐藤隆紀)がコロスと共に、その歴史を語る。
★記者会見(PRESS CONFERENCE)
舞台は1984年イタリア・メラノ(1979年の場合もあるが今回は1984年)。⽶ソの冷戦時代。イタリアのメラノでCHESS世界⼀を決める選⼿権が開催されようとしていた。現在の世界チャンピオンはアメリカのフレディ・トランパー(ルーク・ウォルシュ)。傍らには、彼のセコンドを務めるフローレンス(サマンサ・バークス)がいる。⾃由奔放なフレディは、フローレンスの忠告もむなしく、記者会⾒で対戦相⼿を罵り、記者たちから⾮難を浴びせられる。
★アナトリーとモロコフ(ANATOLY & MOLOKOV)
他方、世界王者の座に挑むソビエトのCHESS王者、アナトリー(ラミン・カリムルー)と、彼のセコンドであるモロコフ(増原英也)は、新聞でフレディの会⾒の記事を読んでいる。モロコフは、フレディが狂⼈だと主張するが、アナトリーはそれを否定する。予測不能な天才フレディに勝つため、ただ真剣に勝負をしたいアナトリーだが、モロコフは「弱みはあの⼥性だ」と、フローレンスに⾔い寄るようにアナトリーに指⽰する。
★私の目指す場所(WHERE I WANT TO BE)
CHESSの世界チャンピオンという夢が⼿の届くところにありながらも、⾃分の⽴場を政治的に利⽤されていると感じ、複雑な思いを抱えるアナトリー。アナトリーは落ち着かない。
★異様なそして奇妙な時間(DIFFICULT AND DANGEROUS TIMES)
選⼿権の初戦前、両国の代表団が顔を合わせる。
★アービター・審判(ARBITER)
敵対⼼を煽るのは構わないが絶対に卑怯な真似は許さないと「一人正義心」に燃えるアービターがフレディとアナトリーに諭す。
★カルテット・格闘と平静の模範(QUARTET)
試合が始まった。しかしイライラ感が止まらなフレディはあろうことか試合を途中でCHESSのコマと共に投げ捨ててげ捨て、その場を去ってしまう。⾝勝⼿な試合放棄を受けて、フローレンス、アナトリー、アービター、モロコフの4⼈はCHESSというこの名⾼いゲームが「敵対し合うイデオロギーがいがみ合う戦場」となってしまっことにがげくと同時に試合を続⾏させるためにはどうしたらよいか?と話し合う。
★ハンガリー動乱(1956・BUDAPEST IS RISING)
そしてフローレンスは両選⼿が話し合うための場を設けることを提案し、フレディの説得を試みる。しかし自分の味方だと思っていたフローレンスに対し、フレディは「ソ連の連中をからかっているだけださ」と軽く流し、「きみこそ奴らを敵対視する理由があるはず」と指摘する。フローレンスは幼いころ『ハンガリー動乱』を経験し、⽗親が行方不明だというのだ。彼女はそのトラウマを抱えながらもソ連と戦っていたのだ。
★ノーバディズ・サイド(NOBODY’S SIDE)
しかしフレディとフローレンスの意見はまとまらないままフレディは部屋を⾶び出し、フローレンスは「誰もが、誰の味⽅でもない」との思いが募る……。
★山頂のデュエット(MOUNTAIN DUET)
話し合いを⾏なうため、山頂のメラノ・マウンテン・イン。アナトリーとフローレンスは既に到着している。しかし、肝⼼のフレディの姿が⾒当たらない。気まずい状況の中、⼆⼈は会話をはじめ、思いがけず惹かれ合ってしまう。そして、その様⼦をフレディが⽬撃して激怒する。彼は取引によって両選⼿のギャランティを上げることに成功したようで、話し合いは不要となり、試合が再開される。
★試合再開・フローレンス去る(FLORENCE QUITS)
⼼を乱されてしまったフレディは全く試合に集中できずにアナトリーに連勝を許し、フレディの勝利は絶望的となる。苛⽴ったフレディはフローレンスに当たり、⼤喧嘩の後、フローレンスは出ていく。
★かわいそうな子(PITY THE CHILD)
フレディは、悲惨な家庭で育った現実から逃げるためにCHESSを始めたことを思い出し、嘆く。フレディの棄権によりアナトリーが新たな世界チャンピオンとなる。 ★別の誰かのストーリー(SOMEONE ELSEʼS STORY) ⼀⽅、ソビエト連邦にはアナトリーの妻スヴェトラーナ(エリアンナ)と⼦供たちが残されていた。スヴェトラーナが、遠くにいる夫の⼼も離れていっていると嘆く。
★大使館哀歌(EMBASSY LAMENT)
そんな中、アナトリーは亡命を決意してフローレンスと共に⼤使館を訪れる。
★ヘブン・ヘルプ・マイ・ハート(HEAVEN HELP MY HEART)
フローレンスはアナトリーへの愛情がますます強まっていることを実感し、英国へ旅⽴とうする。
★アナトリーとプレス(ANATOLY AND THE PRESS)
しかし、アナトリーとフローレンスの逃避行はバレていた。
★アンセム(ANTHEM)
アナトリーは記者に囲まれ「ロシアを捨てるのか?」と問い詰められる。アナトリーは、「捨てることなどできるはずがじゃないか!」と祖国への想いを語る。
<第二幕>
★ゴールデン・バンコク(GOLDEN BANGKOK)
1年後、CHESS世界選⼿権がタイのバンコクで開催されようとしていた。フレディはテレビ業界に転身し、プレゼンターとして、今年のCHESSゲームを取り仕切ろうとしていた。 ★ワン・ナイト・イン・バンコク(ONE NIGHT IN BANGKOK)
この「怪しげな街・バンコク」で。
★議論(ONE MORE OPPONENT)
アナトリーとフローレンスは、フレディがなぜ⼆⼈の前に現れたのか?そしてスヴェトラーナもやってくるのではなぜか?議論する。
★ユー・アンド・アイ(YOU AND I)
あらゆる壁が⽴ちはだかっていても、今度こそ⼆⼈で幸せになれるはずとお互いに確かめアナトリーとフローレンス。
★CHESSマシーン(THE SOVIET MACHINE)
モロコフとソ連一行が集まり、KGBお得意の盗聴でアナトリーとフローレンスの会話を聞いている。そんな中、CHESS・チャンピオンの座に挑むソビエト代表のビガンドは、⼀⼈で黙々とCHESS盤と睨めっこしている。マシンのように正確で集中⼒の⾼いビガンドをモロコフ⼀⾏は褒めたたえ、フローレンスと共に亡命したアナトリーを「裏切り者」と罵倒しまくる。
★インタビュー(THE INTERVIEW)
アナトリーがテレビ番組のインタビューを受けにいくと、なんとそこに待っていたのはなんとフレディだった。数々の鋭い質問を投げかけ、仕舞いには⽣放送中に突然スヴェトラーナを呼び込む。アナトリーはこの状況に耐え切れず、逃げ出してしまう。フレディは昨年の恨みをはらすかのようにアナトリーを憎んでいたのだ。
★アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウエル(I KNOW HIM SO WELL)
初めて顔を合わせたフローレンスとスヴェトラーナは、⼾惑いながらも、⾃分ではなくお互いの⽅がアナトリーに相応しいと実感する。
★取引~不成立~(THE DEAL)
アナトリーとビガンドの試合を⽬前に控え、様々な取引が⾏われようとしていた。スヴェトラーナをバンコクへ呼んだのは何を隠そうモロコフだった。モロコフはスヴェトラーナに対してこのように提案する。「アナトリーを負けさせればアナトリーが再びスヴェトラーナのもとに返ってくる」と。 他方、フレディは、フローレンスの⽗が⽣きていることをフローレンスに告げる。アナトリーにも、フローレンスのために負けてくれと頼みこむ。アナトリーが負ければフローレンスの⽗が解放されると、モロコフが約束しているという。それぞれの思惑が交錯する中、運命の試合が始まる。
★エンドゲーム(ENDGAME)
アナトリーは苦悩する。試合を⽀配しようとするモロコフやフレディの視線を感じながら、頭の中でスヴェトラーナとフローレンスから責められながら、試合は進んでいく。しかしその全てに打ち勝ったアナトリー。⾃らの成功と⾃らの⾃由のために、アナトリーは正々堂々と勝負に勝ったのだ。
★ロシア人とフローレンス(RUSSIAN & FLORENCE AT THE AIRPORT)
空港である。⾃由な選択をするために試合に勝ったと主張するアナトリーに対し、彼の選ぶ道は家族のもとへ帰る以外にないと⾔うフローレンス。
★ユー・アンド・アイ(YOU AND I REPRISE)
深く愛し合いながらも、別れを告げる⼆⼈。引き裂かれる思いで、アナトリーは妻と⼦供たちのもとへと帰っていく。
★アンセム(ANTHEM REPRISE)
冷戦という苦しい時代に、駒として利⽤され振り回された⼈々。「⼈の作った国など引き裂いてしまえばいい。私の祖国はここにある、私の⼼の中に」とアービターが締めくくるのだが……。
【東京国際フォーラムホールC】
2020/2/1(土)~2020/2/9(日)
料金S席 13,500円 A席 10,000円 (全席指定・税込)
問い合わせ:梅田芸術劇場 0570-077-039
2月1日土曜日・17:30
2月2日日曜日・12:30・17:30*
2月3日月曜日・18:30
2月4日火曜日・13:30
2月5日水曜日・13:30・18:30
2月6日木曜日・休演
2月7日金曜日・13:30
2月8日土曜日・12:30・17:30
2月9日日曜日・12:30
*アフタートーク(登壇者:ラミン・カリムルー、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀)
◆チケット取り扱いhttps://www.umegei.com/schedule/838/ticket.html#place936
★公演時間 約2時間20分(25分間の途中休憩を含む・英語上演・日本語字幕有り)
★出演者
アナトリー:ラミン・カリムルー
フローレンス:サマンサ・バークス
フレディ:ルーク:ウォルシュ
アービター:佐藤隆起(LE VELVETS)
スヴェトラーナ:エリアンナ
モロコフ:増原英也
飯野めぐみ
伊藤広祥
大塚たかし
岡本華奈
柴原直樹
仙名立宗
染谷洸太
中井智彦
菜々香
二宮愛
則松亜海
原田真絢
武藤寛
森山大輔
綿引さやか
和田清香
(五十音順)
※河野陽介は一身上の都合により降板致します。これによる払い戻しは行いませんことご了承ください。
※都合によりキャストが変更になる場合があります。
★STAFF
作曲:ベニー・アンダーソン、ビヨルン・ウルヴァース
原案・作詞:ティム・ライス
演出・振付:ニック・ウィンストン
音楽監督:島健
照明:ベン・クラックナル
音響:大野美由紀
映像:ダンカン・マクリーン
衣裳:DAISY石橋瑞枝
ヘアメイク:森哲也
演出助手:加藤由紀子
舞台監督:藤崎遊
大阪公演主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
東京公演主催:梅田芸術劇場
後援:WOWOW
企画・制作:梅田芸術劇場