『マンマ・ミーア!』東京秋公演が2月8日で千秋楽を迎えた。しかし今回の『マンマ・ミーア!』。裏では様々な憶測を呼んだ。
多くの評論家は言う。「まだ『マンマ・ミーア!』はやっているのか?」「もう終わりでいいだろう」。恐らく浅利先生の前では逆のことを言っているのだろう。相変わらず評論家と言う職業は気楽で羨ましい。またドナが頻繁に替わることから「樋口さん退団」の情報も一時ネットで騒然となった。マンマの代名詞でもある「スタンディングオベイション」も毎回3回程度。一体どうなっているのかと筆者は心配になり、何度も『マンマ・ミーア!』を観に行ったが、評論家が言うほど、レベルはダウンしていなかった。
開催中、国際プロデューサーのトレイガス氏に会った。彼も今回の上演を心配していた。それは「世界最年少」の江畑さんのドナの演技だ。筆者はトレイガス氏に答えた。「どちらかというと初期の保坂さんタイプ。でも『ワン・オブ・アス』は過去のドナの中でも一番うまいんじゃないでしょうか?」。トレイガス氏はニコニコしていた。
また光川愛さんのターニャは過去ターニャの中でも最高だ。今後は是非、光川ターニャを中心にドナ&ザ・ダイナモスを上演してほしい。
『マンマ・ミーア!』も今年で13年目に突入した。初演から40回以上観ている筆者にとって、『マンマ・ミーア!』は生き甲斐であり、生活の一部である。最近の傾向としては男性客が随分増えたことだ。ゆえに男性トイレがやたら混んでいる。このような現象は初めてだ。またカーテンコール時のペンライトも以前に比べてかなり減った。前述したがスタンディングオベイションの数も激減した。「淡白なお客様」が増えたのは事実だ。他方では『リトルマーメイド』のチケットが平日でさえも獲れない。同じ四季の演目でありながら、この人気度の違いは、『マンマ・ミーア!』も大幅なリニュアルを求められているのかもしれない。そもそも外国の文化を日本語に直すとは言え、日本人に分からせるのは難しい。特にソフィとアリ、リサが最初に会ってハシャグ場面。ああいう感じは日本人にはない。ドナとターニャ、ロージーが最初に会ってハシャグ場面も同じだ。これはほんの一部だが、もう少し大胆に「日本の文化にあった『マンマ・ミーア!』に思い切ってトライ」してもいいのではないかと確かに感じた。まあ実現しないことだろうが。
次回は3月28日より名古屋に場所を移す。以前も名古屋で一時「休業」したが、果たして、名古屋公演はどうなることだろうか?3月28日を観て、改めて、意見を述べたい。
尚、東京・秋セカンド公演のデータは以下の通り。
開催期間:9月2日(火)~2月8日(日)148回 約10万人