ロックの殿堂(※)財団は、2023年の殿堂入り候補者(ノミネート)を以下の通り発表しました。
ケイト・ブッシュ
シェリル・クロウ
ミッシー・エリオット
アイアンメイデン
ジョイ・ディヴィジョン/ニュー・オーダー
シンディ・ローパー
ジョージ・マイケル
ウィリー・ネルソン
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
サウンドガーデン
ザ・スピナーズ
ア・トライブ・コールド・クエスト
ザ・ホワイト・ストライプス
ウォーレン・ゼヴォン
ノミネートされるためには、個々のアーティストまたはバンドが、ノミネートされる年の少なくとも25年前に最初の商業用録音をリリースしていることが必要です。シェリル・クロウ、ミッシー・エリオット、ジョイ・ディヴィジョン/ニュー・オーダー、シンディ・ローパー、ジョージ・マイケル、ウィリー・ネルソン、ザ・ホワイト・ストライプス、ウォーレン・ゼボンを含む14組中8組が初ノミネートです。ミッシー・エリオットとザ・ホワイト・ストライプスは、今年が初ノミネートとなります。
ロックの殿堂が称え、祝福する多様なアーティストと音楽を反映した、驚くべきノミネートリストです。「これらのアーティストは、世代を超えて影響を与え、彼らの足跡をたどる無数の人々に影響を与えた独自のサウンドを作り出しています」。
ノミネートはロックの殿堂のソーシャル・チャンネル、SiriusXM Rock & Roll Hall of Fame RadioとSXM AppのVolumeで発表されました。
ノミネートの投票用紙は、1,000人以上のアーティスト、歴史家、音楽業界のメンバーからなる国際的な投票機関に送られる予定です。アーティストの音楽的影響や他のアーティストへの影響、キャリアの長さや深さ、作品群、そしてスタイルやテクニックにおける革新性や優位性が考慮されます。
世界中のファンは、ファン投票を通じて、インダクションの選考プロセスに参加します。4月28日まで、ファンは毎日vote.rockhall.comでオンライン投票するか、クリーブランドのミュージアムで直接投票することができます。一般投票によって選ばれた上位5名のアーティストが「ファン投票」を構成し、他の投票と合わせて集計され、2023年の殿堂入りアーティストが決定されます。
殿堂入りは5月に発表される予定です。ロックの殿堂入りセレモニーは今秋に開催され、日程、会場、チケット販売情報などは今後発表される予定です。
ロックの殿堂の寄付者と会員になると、殿堂入りのチケットを入手することができます。6月30日までに寄付または入会することで対象となります。詳しくはrockhall.com/missionをご覧ください。
報道関係者は、rockhall.com/press-roomで2023年のノミネートの高解像度画像と経歴を閲覧できます。殿堂入りセレモニーへのメディア関係者の申し込みは5月に開始される予定です。
◆ロックンロールの殿堂について
リズム&ブルース、カントリー、ゴスペルの衝突から生まれたロックンロールは、包括的で常に変化し続ける精神です。ロックの殿堂は、若者文化のサウンドを称え、その音楽で私たち全員をつなぐアーティストに敬意を表します。デジタルコンテンツ、革新的な展示物、ライブ音楽、魅力的なプログラム、そして毎年開催される殿堂入りセレモニーを通じて、私たちの世界を形成する人々、出来事、曲の物語を共有します。私たちは、創造性と革新性を奨励し受け入れる、多様で公平な教育的非営利ミュージアムを意図的に育成しています。コミュニティのリーダーとして、私たちはすべての人に価値を与え、力を与え、尊重します。あなたと同じようにロックンロールを愛する数百万人の仲間に加わりましょう。オハイオ州クリーブランド、またはrockhall.comにお越しください。Facebook(@rockandrollhalloffame)、Instagram(@rockhall)、Twitter(@rockhall)、TikTok(@RockHallFame)、YouTube(youtube.com/rockhall)でフォローしています。
※ロックの殿堂:
英語名は「Rock and Roll Hall of Fame」。野球やフットボールといったスポーツでもよくあるような長年の功績をたたえて贈られる「殿堂入り / Hall of Fame」の「ロック」版が「ロックの殿堂」。ちなみにハリウッド通りにある、スターの手形があるストリートは、その上を人が歩けるので「Walk of Fame」と名付けられている。
「ロックの殿堂」を管理する財団は、1983年4月20日に、アトランティック・レコード創設者であり会長であったアーメット・アーティガンによって設立。受賞については1986年から毎年開催されており、第1回の受賞者は、チャック・ベリー、ジャームス・ブラウン、レイ・チャールズ、サム・クックなどが名を連ねている。それから毎年授賞式は行われ、今やアメリカではグラミー賞、ビルボード・ミュージック・アワード、アメリカン・ミュージック・アワードと並んで「4大音楽賞」と呼ばれる名誉ある賞となっている。
◆誰が受賞できるのか?「ロック」だけなのか?
最初の音源が発売されてから25年たったアーティスト/グループが受賞の対象に選ばれる資格を得る。授賞式には、受賞者らのライブの他にプレゼンターや受賞アーティスト(故人のアーティストの場合はその関係者)がスピーチすることも有名で、グラミー賞や他の賞に比べてスピーチの時間が長いのも特徴の一つ。ロックの殿堂には現在4部門の賞があり対象となる人は以下の通り。
・Performers:アーティスト
・Ahmet Ertegun Award:プロデューサーや作曲家、DJなどの非アーティストが対象
・Early influences:ロックの初期に影響を与えたミュージシャン
・Rock and Roll Hall of Fame Award for Musical Excellence:音楽史に多大な影響を与えた人物(功労賞)
ロックの殿堂のという名前から、ジャンルとして「ロック」のアーティストが選ばれることが多いが、ジャンルに制限はなく、過去の受賞者には、マーヴィン・ゲイ、ボブ・マーリー、RUN DMCなどがいる。「ロック」以外のジャンルが受賞することで批判されることもあるが2016年にHIP HOPグループのN.W.A.が受賞した際に、メンバーのアイス・キューブがスピーチで語ったことが、その精神を表しているので、引用してみよう。
「ここで質問だ。俺達はロックン・ロールなのか?俺はそれにこう答えよう。俺達はロックン・ロールだ、間違いない。ロックン・ロールは楽器のことでもなければ、音楽のジャンルでさえもない。ロックン・ロールはスピリットだ。スピリットなんだ。ブルーズ、ジャズ、ビバップ、ソウル、R&B、ロック、へヴィ・メタル、パンク、そしてHIP HOPと、そのスピリットはずっと続いてきた。そして、俺たち全てを結びつけているのが、スピリットだ。ロックン・ロールとは先達に従うことじゃない。音楽、そして人生で、自分達の道を作り上げること。それこそがロックン・ロールであり、それが俺たちなんだ。
ロックン・ロールは同調しない。ロックン・ロールは独創性だ。そして、N.W.A.はロックン・ロールだ。ロックの殿堂入りに寄与してくれた全ての人に感謝を。そして世界中にこう言いたい『Damn that shit was dope!(クソッ、ガチでヤヴァかったな)』」 – アイス・キューブ
*Damn that shit was dope!はN.W.A.の楽曲「Straight Outta Compton」のに登場するフレーズ
また、1995年には、オハイオ州クリーブランドに「ロックの殿堂」のミュージアムもオープン。ミュージシャンやプロデューサーなどが実際に使用していた衣装や機材など合計で10万点以上が総面積1万 4000 平方メートルの広さに展示/保存されている世界最大級の音楽の博物館。常設展・特別展やコンサートなど様々なイベントも行なわれている観光名所の一つになっている。
https://www.rockhall.com/rock-roll-hall-fame-foundation-announces-nominees-2023-induction