デビー・ドーソンの最新シングルは問いかける:「もしドリー・パートンが80年代風シンセウェイブの名曲を作ったら?」
世界がデビー・ドーソン(Debbii Dawson)(※)の存在を初めて知ったのは、2022年に彼女が『アメリカズ・ゴット・タレント(America’s Got Talent)』のステージに登場したときでした。
正直なところ、私は普段リアリティー番組のコンペを好んで見るタイプではありません。夢を否定されたり、サイモン・コーウェルのむくんだ顔で叱責されたりする姿を見るのは、見ていて心が痛くなります。
でも、ドーソンの動画をクリックしたとき、「地元出身のアーティストがどんなものを見せてくれるのか」という興味から始まったのに、気づけば目を離すことができなくなっていたのです。
彼女が歌ったのは、ABBAの「ダンシング・クイーン」のスローダウン・バージョン。その声は、人間というよりもまるで楽器のように空間全体に響き渡りました。
すべての音が完璧に調整されているかのようで、繊細なビブラートが効いたその歌声は、ディスコの名曲を青春を祝うエモーショナルなバラードへと昇華させていたのです。
観客が熱狂的な拍手を送る映像を見ながら、私も一緒に拍手していました――初めて、リアリティTVに感謝した瞬間でした。
3年後、デビー・ドーソンはアーティストとしての本領を発揮
その初舞台から3年が経った今、ドーソンは独自のスタイルを確立しました。
テレビのオーディション番組出身者がたどる「典型的なポップスターへの道」ではなく、彼女はジャンルを越えたポップ・カントリー・フォークの融合スタイルへと進みました。
ミネソタ州で音楽一家に生まれ育ったドーソンは、インド古典音楽、ポップ、カントリー、南部ゴスペルなどを日常的に聴いていたと「ローリング・ストーン」誌で語っています。
この多彩な音楽背景は、彼女の独特な声質や、サウンド面での大胆な実験精神に色濃く反映されています。
*上記画像をクリックするとインスタグラムに移行します。
最新リリース「You Killed The Music」は、80年代直送のシンセ満載ハートブレイク・アンセム
写真に映るドーソンの最新作「You Killed The Music」は、映画のような世界観とシンセを多用したサウンドが特徴の失恋アンセム。まるで80年代からそのまま届いたかのような1曲です。
ミュージックビデオはそのノスタルジー感を一層際立たせています。
シルバーのゴーゴーブーツ、大ぶりのイヤリング、スパンコールのエレクトリックグリーンドレスといった衣装に加え、VHS風の映像ときらめくレトロなフィルターが世界観を完璧に演出しています。
『You Killed The Music』の中でドーソンは、失恋の痛みを乗り越えて立ち上がる不死鳥のよう。
サビでは堂々と「もう私を止めることはできない!」と宣言します。
楽曲の構成もそのテーマと呼応しており、穏やかなピアノバラードから始まり、次第に明るくグルーヴィーなダンストラックへと移行していきます。
「ABBA × ドリー・パートン × 南アジア」? でもそれだけじゃない
簡単に言えばこの作品は、
「ABBAとドリー・パートン、そして南アジアの音楽が融合したような曲」とも表現できます。
でも、それだけではデビー・ドーソンの本質を言い表すことはできません。
彼女は独自の視点から複数の文化やジャンルをつなぎ合わせ、唯一無二のアーティストとしてその世界を築き上げているのです。
本人の言葉を借りるなら:
「もう私を止めることはできない」。
まさにその通りです。
※デビー・ドーソン(Debbii Dawson)は、アメリカ出身のシンガーソングライターで、ジャンルを超えた独自の音楽スタイルを持つアーティストです。特に、ポップ、カントリー、フォーク、シンセウェイブ、インド古典音楽の要素を融合させたサウンドが特徴です。
🟡 主なプロフィール:
- 出身地: アメリカ・ミネソタ州
- 音楽的背景: 音楽一家に生まれ育ち、インド古典音楽、ポップ、カントリー、南部ゴスペルなど、幅広いジャンルに親しんできた
- 言語・文化: 多文化的な背景を持ち、南アジア系アメリカ人としての視点も作品に反映されている
🟡 注目されたきっかけ:
- 2022年、NBCの『America’s Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)』に出演
→ ABBAの「Dancing Queen」を独自のスローバラードにアレンジし披露
→ その繊細でエモーショナルな歌声が高く評価され、SNS上でも話題に
🟡 音楽スタイルと特徴:
- ジャンル融合型サウンド:ポップ、カントリー、フォーク、80年代風シンセ、インド音楽の要素を巧みにブレンド
- ユニークな歌声:柔らかくも芯のある声質、細やかなビブラートと感情表現
- ビジュアルと演出:ミュージックビデオではノスタルジックかつシネマティックな映像美が印象的
🟡 最新リリース(2025年3月時点):
- 「You Killed The Music」
→ 80年代風シンセポップ×感情的なバラード構成
→ ドリー・パートン、ABBA、南アジア音楽が融合したようなサウンド
→ ミュージックビデオにはVHSスタイルの映像やレトロ衣装を使用
🟡 評価と今後:
Debbii Dawsonは、「次世代のジャンルを超える音楽アーティスト」として注目されており、多様な文化的ルーツを生かしたサウンドで、唯一無二の存在感を放っています。従来の枠にとらわれない活動スタイルで、コアなファン層を築きつつあります。